栄養バランスを考えた一人暮らしの食事術

スーパーマーケット

好きなものを食べて、好きな時に眠る、自由気ままな一人暮らし。誰にも邪魔されず、自分のライフスタイルを満喫できますが、食生活が乱れやすいので注意が必要です。
栄養バランスを考えた食事が大切だとわかっていても、ついつい同じような食材やメニューを選んでしまうという人は多いはず。
今の健康に問題がない場合でも、栄養バランスの乱れは将来的に健康への悪影響が考えられます。健康を維持するためにも最低限の栄養摂取は意識したいところです。
そこで、一人暮らしにおける食事術について詳しく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

栄養バランスの重要性

栄養を考えずお腹を満たすだけの食事では、毎日のパフォーマンスに影響が出てしまいます。
カロリーは足りているのに栄養失調とならないように、栄養バランスよく摂ることが大切です。
その中でも5大栄養素(炭水化物、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラル)は毎日の健康を維持するうえで欠かせません。

炭水化物の摂り過ぎには注意

炭水化物はエネルギーとなる大切な栄養素です。1日の摂取目安量は、中盛ほどのご飯だとお茶碗4杯分程度で十分な量ですが、摂り過ぎると肥満の原因になります。
炭水化物は主食のご飯やパン、麺類などに含まれます。菓子パンやインスタントラーメンで済ませるという人は要注意です。

野菜がしっかり摂れているか

一人暮らしの食生活で不足しがちなのが野菜です。厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によると、日本人の野菜の平均摂取量は約280gです。
しかし、成人の野菜摂取量は1日350gとされています。これは、コンビニで販売されているサラダ(120g)に換算すると約3皿分です。意識しないと毎日摂取量を満たすのは難しいですね。
野菜ジュースやサプリメントで補う方法もありますが、製造工程で失われた栄養素もあるため、やはりサラダや炒め物、煮物など野菜本来の形で食べたほうが望ましいでしょう。

不足しやすいタンパク質

タンパク質は肉や魚、卵、大豆製品などに多く含まれる栄養素で、筋肉や血液、髪、内臓を作るために摂らなくてはならない栄養素の一つです。
不足すると健康的な体を維持することができません。筋肉が衰えたり、肌荒れになったりと体調不良の原因になります。
減量やダイエットに取り組む人も、食事制限によって不足しやすいので注意が必要です。

食材の選び方

栄養失調にならないためにも、栄養バランスのとれた食事を摂ることが大切です。しかし、品数をたくさん用意するのは大変ですよね。なるべく手間をかけずに食べられるおすすめの食材を紹介します。

お米

日本人にとって身近な炭水化物であるお米。1日のエネルギー源として主食に最適です。
炭水化物は「太る」ということで控える人も多いですが、ご飯1杯のカロリーだと約240キロカロリーで、菓子パンやインスタントラーメンに比べて低カロリーです。
さらにお米には炭水化物だけではなく、タンパク質やビタミン類も含まれています。エネルギー源として優秀な食材といえるでしょう。
自炊が苦手という人でも、炊飯器でお米を炊くだけなら簡単にできます。経済的な食材でもあるので一人暮らしにとてもおすすめです。

卵は完全栄養食品と呼ばれ、ビタミンCと食物繊維以外の栄養成分はすべて含む食材です。
タンパク質の必須アミノ酸バランスが非常に良いため、良質なタンパク源となります。
食べるなら朝食がおすすめです。卵の良質なタンパク質が活動に必要なエネルギーを作り出し、寝起きの体にスイッチを入れてくれます。
熱々のご飯にかけるだけでおいしく食べられるでしょう。また、コンビニでも茹で卵や温泉卵、卵焼きなど定番商品として置かれているので食べやすいです。
ただし、食べ過ぎると脂質の摂りすぎになる可能性があるので、食べすぎには注意しましょう。

タンパク質を摂取するためには魚も肉も重要ですが、なかでも魚は良質な脂質であるDHAやEPAが含まれているため、積極的に食べたい食材です。
手軽でリーズナブルに食べる方法としておすすめなのが缶詰。種類にもよりますが、身だけではなく骨ごと柔らかく煮込まれているため、栄養もたっぷりです。
缶詰なら常温で長期保存できるので、買い置きしておけば好きな時に魚が食べられます。
生の魚を調理するな、シンプルに焼きましょう。グリルがないならクッキングシートかフライパン用ホイルをフライパンに敷いて、その上に魚を焼くとフライパンが焦げ付かず、脂をほどよく吸収してくれます。

大豆

大豆は豆腐や納豆などの食品として安価に手に入るため一人暮らしの強い味方です。
タンパク質やビタミン、亜鉛、鉄分、食物繊維など、不足しがちな栄養素も摂取できます。毎日の食事のプラス一品として加えたいところです。

緑黄色野菜

野菜の中でも取り入れたいのが緑黄色野菜です。ニンジンやほうれん草、カボチャなどカロテンが豊富な野菜を指します。
カロテンだけではなく、ビタミンCやビタミンK、葉酸、カリウムなどが含まれています。さらに鉄やカルシウムを含む野菜もあるため、積極的に取り入れたいところです。
カロテンは体内でビタミンAに変換され作用します。皮膚や粘膜の機能を維持するために使われます。またカロテン自体、抗酸化作用があり活性酸素を除去する働きがあります。
カロテンは油によく溶ける性質なので、炒め物にするのがおすすめです。

根菜

ゴボウや人参、レンコンなどの根菜には食物繊維が豊富に含まれています。その他にもビタミン、ミネラルもしっかり含まれており積極的に摂りたい食材です。
きんぴらごぼうやトン汁など、惣菜として売られているため、手軽に食べられます。

海藻

ミネラルや食物繊維が豊富で、その中でも鉄やカルシウム、ヨウ素などを多く含んでいます。健康の維持・向上、生活習慣病予防、ダイエット、美容などのために積極的に食べたいところです。
海藻には皮膚や粘膜の健康を保つβカロテンが多く含まれていますが、油に溶けやすい性質なので、炒め物にする、和え物に油を加えるなど、油と一緒に食べることで吸収効率がアップします。
また、お酢と一緒に食べることで食物繊維が柔らかくなり、栄養素が体内に吸収されやすくなります。

一人暮らしでも栄養バランスのとれた食事を食べるための方法

忙しくても栄養バランスのよい食事をとるための方法について紹介します。

カット野菜を使う

下ごしらえや調理が面倒なときに便利なのがスーパーやコンビニで買えるカット野菜です。
カット野菜にはキャベツのざく切りや千切り、もやし、炒め物にそのまま使える野菜ミックスなど、さまざまな種類があります。
1袋100円台で購入でき、食べきりサイズのためすぐに使えるのもメリットです。

冷凍の野菜ミックスを使う

野菜不足をカバーするために冷凍野菜も便利です。冷凍することで栄養の損失は最低限にとどめられ、冷凍保存中も栄養価が維持されています。
下処理が済んでいるので、調理時間を短縮できます。また、冷凍野菜は使う部分のみを冷凍加工しているため、調理してもゴミが出ません。
スーパーやコンビニで購入できます。

缶詰を活用する

ツナ缶や鯖缶、コーン缶などの缶詰を用意しておけば、下ごしらえが面倒な食品も手軽に使えます。ツナやコーンはサラダからメインディッシュまで幅広くあわせられるでしょう。
保存期間が長いので、非常時用のストックにもおすすめです。昨今はのどぐろや角煮など色々な缶詰が展開されているので、メニューの幅を広げるのにも便利です。

外食の注意点

一人暮らしにとって外食はなくてはならないものです。調理が面倒な時や手短に済ませたい時などは外食に頼ることは多いでしょう。
しかし、外食は、つい好きなものやおいしいもの、手軽なものに偏ってしまいがちです。
また、味付けが濃い、量が多い、脂っこい、野菜が少ないなどの問題もあり、外食だけでは栄養バランスが崩れやすくなります。
外食がダメなのではなく、上手に利用することが大切です。
丼ものやカレーライス、ラーメンなどの単品料理を避け、野菜や海藻などを使用した料理が揃った定食を選ぶようにしましょう。
他にも揚げ物ではなく、焼く、蒸す、煮る料理を選ぶなどして、カロリーや脂質の少ない調理法を選ぶようにしてください。

バランスの良い献立の立て方

バランスの良い食事とはさまざまな考え方がありますが、主食+主菜+副菜が揃った食事を考えて献立を立てるといいでしょう。

主食・・・ご飯やパン、麺類
主菜・・・肉類、魚類、卵など
副菜・・・野菜、きのこ、海藻など

パスタやご飯ものなどの一品料理でも、主食+主菜+副菜が揃っているか確認し補うという考え方でもOKです。

自炊するときのポイント

栄養バランスを考えながら自炊したいですが、一人暮らしで毎日自炊するとなると、継続するのはなかなか難しいでしょう。
自炊を継続するためのポイントについて解説します。

こだわりすぎない

毎日自炊していると、体調が悪かったり、帰りが遅くなったりと日々状況が変わります。当日の体調など考慮して続けることが大切です。
最初から完璧を求めると、自炊が面倒になってしまいます。完璧にこだわらず、冷凍食品や缶詰などに頼って適度に手を抜きながら自炊しましょう。

バリエーションの効く簡単な味付けを覚える

手軽な料理方法として炒め物があります。野菜を切って肉と一緒に炒め、塩コショウで味付けするという立派な料理です。
冷凍野菜やカット野菜を活用すれば下ごしらえの手間と洗い物を減らすことができるのでおすすめです。
味付けは塩コショウ以外にも、めんつゆや鶏がらスープの素とお酒、味噌マヨなど、いろいろな具材に合う味付けを何パターンかマスターしましょう。
同じ野菜炒めでも具材と味付けを変えれば毎日、飽きずに食べ続けることができます。

作り置きする

平日は学校やバイトがあるなら、帰宅してからの自炊は面倒に感じるかもしれません。その場合は、休日に作り置きを用意しておきましょう。
食材を切っておく、肉に下味をつけて冷凍するなど、下準備を済ませておくだけで、平日の自炊が楽になります。

まとめ

一人暮らしはさまざまな要因から栄養不足になりがちです。ただ、栄養不足になってしまうと心身ともに悪影響となってしまいます。
栄養不足にならないためにも対策することが重要です。まずはご飯を炊いてみることから始めてみるといいでしょう。