就活では当たり前のことができるだけで及第点
就職面接をする時には、他にも同年代の人たちが大勢その場に集まり順番に面接を受けていくことになります。日本の新卒採用は無個性であると言われていますが、実際就職説明会に行くと長年の友人でも見失ってしまいそうになるくらいそっくりな服と髪型をした人が並んでいます。
とはいえ面接までみんなと一緒では競争率の激しい就職活動をクリアするのは難しいので、どこかで他の就活生とは違ったところをアピールする必要があります。このときまずしっかり頭に入れておきたいのが、就職活動における「常識」を全部守れている人というのは案外少ないということです。
きちんと決まりどおりにリクルートスーツや小物類を揃え、きちんと背筋を伸ばしてお辞儀をするなど、就活ノウハウにかかれている当たり前のことができてさえいれば、少なくとも最終面接にまで残るのは難しいことではありません。ごくまれに人事担当者の採用方針でわざとちょっと変わった人を採ることもありますが、大きな会社や公務員採用試験ではそうした方針はまず取られることはないでしょう。
そのことを前提に、最終面接で勝ち残るために必要となる4つのポイントを以下に挙げてみます。
話の内容よりも重要なのは「見た目」
1.清潔感には細部にまでこだわる
2.姿勢をよく視線を真っ直ぐにして話す
3.できるだけゆっくりと抑揚をつけて発音するようにする
4.必ず「逆質問」をする
ポイントはいくつかありますが、最も重要なのはやはり1の「清潔感」、言い換えるならば「見た目」です。清潔感というのは普段のファッションでも重要な要素となりますが、案外細かい部分には気が回らずミスをしていることがよくあります。
ブラウスやワイシャツの襟口・袖口に汚れがついていないかや、爪が汚れていないか、靴のつま先が擦り切れていないかといったような部分です。そんな細かいところまで誰も見ないよと思うかもしれませんが、面接というのは他の人と誰がどう違うのかを見極める場所ですので、そうした小さな点が明暗を分けることがあります。
実際にそうした細かいポイントが見られるかどうかというよりも、そこまで気合を入れられるかという本人の心意気も問題になりますので、ぜひ気持ちを入れた清潔感を演出してもらいたいです。次に姿勢と声色ですが、こちらもその人の見た目の印象を決める重要な要素です。猫背や目を合わせない会話はどれだけ内容によいことを言っていてもそれだけで言葉の力を半減させてしまうことになります。
最後に「逆質問」ですが、これは面接の最後の「何か質問はありますか?」という質問のことです。逆質問があることでその企業に入りたいという強い意欲をPRできるので、必ず準備をしておくようにしましょう。
面接官の心をより確実に捉える方法は?
たとえ細部まで身なりに気を配り、流暢な話し方を身に着けたとしても、面接官の心を捉えるためには「能力」が必須であることは言うまでも無いでしょう。実際、働くうえで「何ができるか」「会社に何をもたらすか」という点は、応募者の合否を決定づける一番の要素です。
この能力を一朝一夕で身に付けるのは困難ですが、「自分が何をできるか」ということを解りやすく説明するためにポートフォリオを作るのもいいでしょう。ポートフォリオとは「作品集」のことですが、ファッションやデザイナーのようなクリエイティブな業界への就職活動においては必須の存在と言えます。実際、これらの業界を目指す学校には、ポートフォリオの作り方を学ぶカリキュラムが組まれているほどです。
クリエイティブな業界以外においても、応募者の能力がひと目で解るものがあると、面接官の心をグっと掴みやすくなります。面接では、履歴書や職務経歴書以外に、面接官に見せられるものを作っておくのも、合格の可能性を底上げする一つの手段となるでしょう。